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360度通行止めでも困らない
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9月ですが0831です。0831です!
……という訳で間に合いませんでしたというか
現在進行形で間に合っていませんが通行止めおめでとう!
二人のことを考えれば考えるほどなんだか泣きそうになってしまいます。
二人で一緒にこの先色々な道を歩んでいって欲しいです。
ハンバーグは和風おろしが好きです。

0831とは関係ありませんが、ファイルを漁っていたら
いくつか途中で止まっているものだったりなんだりがあったので
続きよりひとつ載せてあります。
「あ~これ凄く書きたかったのに!」というものもあって
書きたい部分だけ書く→他の部分が思いつかなくて放置、という事がよくあります…。

通行止めがちゅっちゅしている話ですのでご注意ください。


***


甘い。
――頭がイカれてる。自身の思考に、第一位は顔を顰めた。
震える指を繋ぎとめるみたいに絡ませた。馬鹿みたいだ。繰り返す自嘲の中で、舌先だけが本能のままに生きている。馬鹿みたいだ。
舌先に乗った鉄の味が、どうしようもなく甘かった。人間とはこんなに甘いものだったろうか。
「……いたい、ってミサカはミサカは……」
じゃあ止めるか。唇の触れる距離で問えば、少女は即座に首を振る。イカれているのは自分だけじゃないらしい事に、少年は胸の内で笑った。
頭のてっぺんから爪先まで。そんなものでは足りない、足りない。いっそ骨の髄まで喰ってやろうか。

切れた唇の端に舌を伸ばす。滲む血の味に、少女の血を貪っている事実が付きつけられた。
大体、顔を近付けるほうが悪い。そうやって責任を押し付けては、また喰む。
唾液の絡む音がして、これではむしろ悪影響だと思う。それでも止まらない。子どもの唇の柔らかさに、もう囚われていた。
一方的に押さえつけていた少女の手は、いつしか求めるみたいに少年の手を強く握り締める。それがたまらなく心地良い事に、目眩がする。
「……もォ止まったンじゃねェの」
小さな苛虐心のままに囁いてみては、少女の顔が困り果てた。火照った頬は凡そ子供らしさとはかけ離れていて、そんな顔をさせているのは誰だ。
「……やめちゃうの?ってミサカはミサカは聞いてみる」
傾げられた首に、潤む瞳の奥の強さに、心臓が震える。これだから性質が悪い。こちらが遊んでいたのが、いつのまにか遊ばれている。
幼い子どもにこうまで揺れ動かされている間抜けさは、しかしそれで良いかとも思う。いっそずっとこのままで、時が止まってしまえば良いとまで。
小さな手が縋る、縋る。欲しがるのなら与えれば良い。少女の全てを貪るならば、少女に全てを貪られればおあいこだろう。
「あのね、ミサカ、あのね」
「うるせェ」
息の音と、触れる音。聞こえるのはそれだけだった。合間に響く苦しげな声でさえ、今は媚薬にしかならない。
ドラッグよりも強烈な甘さが、ただ満ちていくことを願った。

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